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コミュニケーションを通した数の同意

1.はじめに

  人は椅子を見るとそれを椅子として認識し、車を見るとそれを車として認識します。人はどうやって物質を固有のものとして認識しているのでしょうか。名称を聞くとどうしてそれが頭に浮かぶのでしょうか。なぜ椅子と座っている人は別のものに見えるのでしょうか。

  我々は普段、椅子は誰が見ても椅子に見えると思っています。しかし実際には椅子という絶対的なものがあるわけではなく、人は人とのコミュニケーションを通して、ある形状を持っているものを椅子と呼ぶということを学び、椅子という言葉を聞くとある形状を持っているものが頭に浮かんできます。時には意見が一致せず同じ名称がつかなかったり、コミュニケーションが成立しないようなこともありますが、多くの場合はある名称を聞くとみんな同じ物を連想します。

2.宇宙人が椅子を理解するには

  ではここで、宇宙人が地球人の使う椅子を見つけてそれが何かを分析したらどんな答えが出るかを想像してみましょう。宇宙人は地球人とまったくコミュニケーションをしたことがなく、地球人という存在があることは知っていますが、どんな人かは知りません。宇宙人はまずその成分を分析して一覧表にしますが、椅子が何であるかはまったく分かりません。つぎに形状から分析してみますが、椅子に座ったことがない宇宙人には座るという概念すらなく、自分たちの行動パターンに合わせた的外れの予想をします。この他にもたくさんの研究をしますが、結局地球人に会ってみなければ分からないという結論に達します。
 
  コミュニケーションは人と人が理解しあうための絶対条件であり、それが理解のスタートとなるものです。宇宙人が地球人とのコミュニケーションなしには椅子を理解できなかったように、地球人同志でも椅子を理解するには人と人とのコミュニケーションが必要であり、コミュニケーションを通してその形状や名称を認識するのです。

3.理解するには同意が必要

  さてコミュニケーションを通して椅子を椅子として認識するには、人と人との間に共通する感覚が必要となります。つまり椅子と聞いた時に椅子という実感を伴ったものが頭の中に浮かんでくる必要があります。そしてそのとき初めて、椅子といわれたものは椅子として存在するようになります。つまりAさんが椅子だと思い、Bさんが椅子だと思えば、二人の間では椅子だということです。このことは別の見方をすると、「固有のものを認識するには、人と人が同意しなければならない」ということになります。絶対的で正しいことなどありません。色にしても、ある人は赤と言い、もう一人は朱色だと言えば、どちらが正しいかは決められません。色を波長の長さで決めたとしても国によって名称が違います。信号を大人は「青」と言いますが、子どもは「緑だよ」ということがあります。どう見ても緑に見える信号を「青は進め」と教えられるので「青」というのでしょうが、「信号は青」という同意を得て共通認識を作っています。音が高い低いというのも同じことで、みんなが同意しているかどうかということです。良い悪いの判断も、国や民族や宗教によって違いその中で同意を得て決められています。この同意を作る大きな役割を担っているのが教育です。教育は平和な同意を作ることもできれば、破壊的な同意を作ることもできるので、私たちが最も重視していかなければならないことです。

4.子どもとの同意

  さて、なんでこんなややこしい話をするんだ、と思われる方も多いでしょうが、数の指導をする時に大切な視点なのです。たとえばお子さんを教えていて、なぜたし算が分からないのだろうと思われた方も多いでしょう。子どもに同意できないという状況がそこにあります。逆に言うと子どもが教える人に同意できないということでもあります。この状況は子どもと教える人との間に同意できないものがあるのであって、平等な立場で考えると教える人が子どもを一方的に責めてはいけないわけです。同意できないとストレスを感じ、それがイライラにつながって最後には怒ってしまうことがありますが、同意できないストレスを解決する楽しみ(向上心)に持っていくことで、行動を「逃避」(=一方的に怒るかやめる)から「前向き」(=同意できない問題を解決する)に替えていくことができます。

  ケーキを食べて「おいしい」と言う人もいれば、「そうかなあ」と言う人もいます。同意していません。「空が青いわね」と言うと「ほんとだ!」と言う人もいます。同意しています。ケーキに絶対的なおいしいという感覚があるわけではなく、空に絶対的な青があるわけでもなく、ただ同意しているかしていないかだけです。「青」という漢字を「あお」と思うかどうかも「3」という数字を「さん」と思うかどうかも、誰かが決めたことに同意するかどうかということであって、正しいかどうかということではありません。

5.子どもを指導するには

  このことは指導する立場に立った時に大切なことです。分からないことが悪いことのように思うのは間違いで、分からないということは同意していないということなのです。私たちも人から何かを言われて同意できないと「どうしてですか」と質問します。そして分かったら「そうですね」と言って同意します。3つのものを並べて、「さん」と伝えて、子どもが首をかしげたら同意していないということです。3つのものに対して「さん」という同意できる感覚を持っていないのです。

  そこで教育が必要となります。なぜなら我々の使っている記号や言葉は、同意した上に成り立っているのであり、人によって意味が違ってはコミュニケーションが取れないからです。逆に言うと記号や言葉はコミュニケーションを通して学ばれ、そのための教育が必要ということでもあります。

6.コミュニケーションを通した数の同意

  同意したかどうかは「なるほど」「そうだね」「なんだ、そうだったのか」といった言葉や満足した明るい表情で表されます。とてもすっきりした感覚が得られたら同意が成立したと考えられます。

  同意できる感覚というのはすぐに身につくものもあれば、長い時間を要するものもあって、数は最も長い時間を必要とするもののひとつです。したがって数において同意するためのコミュニケーションに長い時間が取れていない場合はいつまでたっても分からないという状況が起こります。

  コミュニケーション力を向上させることは数の理解に必須です。そしてコミュニケーションを通して数の感覚を習得した時に始めて数に同意することができるようになるわけです。

 

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